芭蕉句碑 探索の流儀No1

1853年の句碑

山寺に芭蕉句碑がある。

ご存知「閑さや岩にしみ入る蝉の声」という誰もが知る名句

山寺や石にしみつく蝉の声
さびしさや岩にしみ込む蝉の声
閑さや岩にしみ入る蝉の声    芭蕉

この句は推敲を重ね名句は生まれたのだそうだ。

以前山寺へ行ったときにこの句碑写真を撮った。

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1853年?建立

句碑は調べると1853年建立との説明があった。

この文を読むとなにかおかしい・・

読んでみるとまず「西紀1689年・・」とある。

これが1853年建立の文章かと疑問に思った。

1853年といえばペリー来航の年。なにか文章が現代文だ。

Webで調べてみた。

芭蕉句碑 なんと多くの句碑が全国にあるのかとびっくり。

そして同じ句の碑が複数ある。これでは混乱する。

やっとのことで下記HPに詳しく記載があった。

http://g05067.html.xdomain.jp/yrq17t22.html

上記の写真は昭和になって建立されたものであり、1853年建立の本物は下記になる。

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1853年 半沢二丘:建立 高梨一具:書

根本中堂前にあるそうだ。

探索の流儀

REMEMBER3.11

「美」について

「美しい」という言葉は何を形容するかによって意味がちがう。

「美味」といい、「美人」といい、また「美しい自然」といい、「美しい」絵画という。

時代による趣味ーと仮にいうこととしてーのちがいも著しい。

たとえば美女の理想は、イタリアの文芸復興期には肉づき豊かであり、今日の流行では何よりも細さをもって貴しとするかのようである。

清長の美人の長身痩躯と春信の女のほとんど病的な手足の矮小を比較すれば、一般に美人の典型を想像することの困難を察するに十分だろう。

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清長の「美人」

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鈴木春信 作

自然の風景についても同じ。

わが国の古代には山岳信仰があった。しかし高山を美とする習慣があったかどうかは大いに疑わしい。

日本アルプス」を賞するのは、その名も示すとおり、深山幽谷の美を発見した西洋ロマン派の影響が及んだ後のことであろう。

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私は昔1950年代に、ある美術雑誌がパリ在住の芸術家数十人に、レオナルド・ダ・ヴィンチについての意見を求めたときのことを思い出す。

その半数は、「画聖レオナルド、その作品こそは絵画を定義する」と答え、他の半数は「甘い通俗性の元祖、何の興味もない」と答えていた。

今日「美」について肯定的に、しかも十分明瞭に、語るのは芸術家ではなくて、数学者または物理学者である。 

彼らがたとえば古典熱力学の体系を美しいというとき、その意味は、理論の単純さ、体系の内的斉合性、場合によってはその構造の「シンメトリ、ー」を指すだろう。それが美的感動をよびさます要件である。

たまたま週刊誌の拾い読みをしながら、プリンストン高等研究所の物理学者の短い文章に出会った。

そこには、実にしばしば「美しさ」とか「美しい」という言葉がでてくる。

たとえば、「ブラックホールの数学的な美しさ」とか「科学者であることの主な報酬は、権力でも金銭でもなくて、自然の超越的な美しさをかいま見る機会のあることだ」という。

要するに、芸術家は「美しさ」を憎悪し、数学者は「美しさ」に感動する。

これがわれわれの住んでいる世界の現実であるらしい。

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 私は旅をつづけ、ある初夏の日の午後、イル・ドゥ・フランスの麦畑のなかをかねての友人と共に車を走らせていた。

久し振りに訪ねたサンリオの教会の内陣の美しさは、私の脳裡に残像のように鮮やかに残っていた。

窓外にはおだやかに起伏する麦畑と森が拡がって、私たち二人のほかには人影もなかった。

加藤周一「美」について より
画像はふさわしいものを追加

 

探索の流儀

REMEMBER3.11

耳をすませば 探索の流儀No1

ICレコーダーで鳥の声録音

自宅で鳥の声が聞こえる。スズメやつばめのように聞き慣れた鳴き声ではない。

あまりに気持ちよさそうな声なので録音した。

山に行く時に使っていた、ICレコーダーで録音した。

最初は単にICレコーダーを窓際に寝かして置き、電源を入れるだけ。

その音源をsoundoforgeに取り込み波形を見ると、

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フラットで何も録音出来ていないように思えた。

これではだめだと、以下の鳥の声集音器を買い求めた。価格1000円

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手のひらに載るくらいのコンパクトな集音器。

しかしこれで録音しても同じようなフラットな結果しか得られなかった。

そこでいつも音源を録音した後行うsoundoforge「ピークノーマライズ」を行ってみた。

以下のようにより実感できる波形になった。

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その形で録音した鳥の声

soundcloud.com

室内には相当雑音があることが分かった。鳥の声を残し雑音を取り除く方法を考えたがなかなか素人では難しそうだ。

そんな中、本日は春めいて暖かくなったこともあり、窓を開放し録音した。その波形がこちら。

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ピークノーマライズを行っても雑音はそう大きくなっていない。

室内には雑音が充満しているのだ。人の耳はそれを除去し聴きとっているのかもしれない。

カタカタ音等が入っているが、これは最初にマイクを移動させた音と、ブラインドのルーバー用ポールが置いているワイン瓶に当たっている音。

soundforgeではこれらの部分は手作業で除去できる。

soundcloud.com

録音できた鳥の声はイソヒヨドリ

サントリーのサイトに野鳥観察のページ「日本の鳥百科」がある。

ここで鳥の大きさや特徴的な色、見られた季節や環境を指定することで代表的な野鳥が見つけられる。日本の鳥百科

しかし本当はこのサイトでもわからなかった。

下の撮影した画像から、「胸の赤い鳥」としてgoogleすると、すぐに「イソヒヨドリ」が候補として出てきた。

そして、再度日本の鳥百科でイソヒヨドリの鳴き声を聞くとまあこれだと確認できた。

(本当はなかなか素人には判定しずらい)

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マウスのクリック音

今回気になったのは、最初の録音「2020-3-30-15-00-which-bird」に入っているが、マウスのクリック音が非常に気になった。(当たり前か)

作業しながら何気なく録音したのでこのマウスクリック音が何とかならないかとこちらも探索した。

すると静音マウスというものがあった。早速買い求めた。

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あのマウスのクリック音、「カチ、カチ」音が「ポコ、ポコ」音と小さくはなった。

だが音が消えるわけではなかった。

(それでも思うが技術的にはなぜマウスのクリック音が必要なのだろう)

それで録音時はなるべくクリックしないようにしている。

 

探索の流儀

REMEMBER3.11

QGIS電子地図操作 第5回 空白地鉄道駅周辺人口比較1

五新線に絡んだ下記鉄道地図を見ていて、その空白エリアが気になった。そこで北海道の鉄道駅周辺人口と紀伊半島の鉄道駅周辺人口を比較してみよう。

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五新線予定路線(国土数値情報を元にBlog主が加工)

今回もQGISを使う。

まずshapeデータからJR路線レイヤ、そして作成した北海道地方の地図を読み込む。
JR路線は国交省国土数値情報からダウンロードしてある最新(2016年)「N02-15_Station」を使用

次にメニューから「ベクタ」-「空間演算ツール」-「固定距離バッファ」を選択

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次の画面で「入力レイヤ」に「N02-15_Station」を選択「距離」(注)に「0.01」と指定そして「Run」

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その結果QGIS画面左下レイヤパネルに「バッファ」が出来ている。

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国土数値情報の「鉄道」ファイルにある「駅」データは「ライン」データとなる。同じく「鉄道時系列」ファイルにある「駅」データは「ポイント」なぜか異なっている。
そのためここで作成したバッファは線分からの距離なので楕円のエリアとなっている。

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拡大画像



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(国土数値情報を元にBlog主が加工)

これで画像はできた。次に面積を実測する。

 

上記のレイヤパネルにある「バッファ」を右クリック、「属性テーブルを開く」でテーブルを開く。

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属性テーブルの上にあるメニュバーの「フィールド計算機を開く」で次の画面を開く。

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「新しいフィールドを作る」にチェックを確認し、

「出力フィールド名」に「面積」、

「出力フィールドタイプ」を「小数点付き数値」、

「精度」を「2」とする。

式テキストボックスに「round($area/1000/1000,2)」と入力、フィールド計算機を閉じる。

そして「バッファ」を適当に名前を付けて保存(今回は「from1000mhokkaidoarea」とした)。

そのレイヤを読み込む。

このレイヤは元の「N02-15_Station」ファイルが日本全国のデータなので今回必要な北海道のデータを抽出する。

今作ったレイヤの属性テーブル右クリックし「フィルター」を選択

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開いた画面「プロバイダ特有フィルタ式」ボックスに北海道にある鉄道会社名「"N02_004" = '函館市' OR "N02_004" = '札幌市' OR "N02_004" = '北海道旅客鉄道'」を記入し閉じる。
 道南いさりび鉄道はまだ開業前のデータしかないのでこのデータはJR北海道となっている。
そして再度、今作ったレイヤを右クリックし「属性テーブル」を開き、メニュ「すべて選択」をクリック、続いて「選択している行をクリップボードへコピーする」をクリック。

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それをエクセルシートに貼り付ける。面積列の合計値は「1795.79」平方kmとなった。居住可能地22,373平方kmの8.0%をカバーしている計算になる。
次はこれに人口データを重ねる。

(注)いまのところ理由は不明であるがこの「距離」について解説本ではメートル単位となっているが私のバージョンではJGD2000投影法でなんと100km単位だ。上記の距離「0.010000」は100km×0.01で1kmになる。

探索の流儀

REMEMBER3.11

セピア写真の修正

古い写真を整理する必要があり、いろいろと眺めながら適正な保存方法を考えた。
まずは電子化でHDに保存と考え、スキャンした。
ピントボケはどうしようもないが、セピアになった色合いを何とかしようと考え、Webで探ったが、PhotoShopElementなどでの作業を推薦してある。

d.hatena.ne.jp


近年adobeは「CC」とか称して永久ライセンスではなく、期間限定のライセンスいわゆる月額使用料方式になっているので少し抵抗がある。

しかしよく調べると、いつも使っている下記NikonCaptureNX-Dでも下のような作業ができる。

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右下にある「ブラックポイントの設定」を選び、どこでもいい修正する画像の特に黒いと思われる部分をワンタッチするだけ。

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下記は元画像

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「ブラックポイントの設定」でワンタッチ修正済みが下記の画像

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探索の流儀

REMEMBER3.11

QGIS電子地図操作 第4回

QGISの操作 第4回です。
Dissolve(融合)について前回(QGIS電子地図操作 第3回 - 紙つぶて 細く永く)は結果が出るまで20分から30分としましたが、その後いくつかファイルを作成したのですがなぜか経過時間が不安定になります。
 「京都府滋賀県奈良県三重県和歌山県でフィルターをかけていたので作成時間が短縮された」としましたが、そうでもないようです。
推理するに、Dissolveするデータ量というのは思った以上に市区部によって偏りがあるということも原因ではないか。
例えば北海道小樽市島嶼が多く623のデータにわかれるが、札幌市は10のデータとなる。実際にDissolve操作をしてみると、北海道は数時間、青森は20分程度という結果になる。
 GISのベテランの方が書いていたが、shpファイルを構成するファイルに「dbf」形式のファイルがある。

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この形式が古い年代物らしく処理に時間がかかるとのこと。
それにしても国土地理院あるいは国交省の国土数値情報に行政区分としての都道府県単位もきちっと整備すればと思うのだが。

しっかりとったデータではないが、Dissolveはざっと以下のような時間だった。
(PCスペック:IntelCore i5-3330 2.7GHz、メモリ8GB、Windows10の条件下)

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重いのは北海道、岩手県長崎県、鹿児島県だった。北海道は上記5時間で途中断念。そこで何とかデータをまとめた岩手県を除く北海道・長崎県・鹿児島県については国土地理院都道府県別ファイルをダウンロードした。

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(国土数値情報を元にBlog主が加工)

すると、上記図のように都道府県ファイルなのに市区町村支庁区分線が表示される。少し見ずらい。

 

探索の流儀

REMEMBER3.11

QGIS電子地図操作 第3回

QGISには融合というツールがある、と私のテキスト「QGIS入門 第二版」に書いてある。
しかしQGISは「進化」をしているので、現在私が使っているバージョン「2.18.9」には「融合」はない。同じところに「Dissolve」というものがあり、翻訳すると「溶かす」という意味があった。つまり「融合」が「Dissolve」に名称変更したのだ。
 「Disssolve」これの意味はレイヤを、ある項目でまとめるということになる。ツールには名称「統合」というものもある。こちらは二つのレイヤを一つにまとめるものだ。

下記今回使った「Dissolve」を例で説明するならば、
まず国土数値情報の「行政区域」データ(以下にある)

国土数値情報ダウンロードサービス

には地方公共団体の区域が掲載されている。「東京都杉並区」や「大阪府大阪市」という区分だ。それの近畿を現すと、

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(国土数値情報を元にBlog主が加工)
のようになる。(この図には京都府滋賀県奈良県三重県和歌山県でフィルターをかけている)これに別途ダウンロードした鉄道(Railload.shp)を重ね合わせると以下になる。

f:id:greengreengrass:20170816111257p:plain国交省国土数値情報を元にBlog主が加工)

 

ちょっと区分が細かく見た目に煩雑になる。これを見やすく加工したい。ここで融合=Dissolveの登場となる。
「行政区分」の属性テーブルを開くと、中に「N03_001」がある。ここに東京都や大阪府、北海道等の県名が入ってるので、この項目でまとめるということだ。
メニューバー「ベクタ」をクリックするとドロップダウンリストが開く。

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その中の「空間演算ツール」にマウスカーソルをあてると右側にメニュが開く。その中に「Dissolve」がある。これをクリックすると、以下のウィンドウが開くので、入力レイヤを指定(この場合N03-17_170101)

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「Dissolve All」のチェックボックスをオフにし、N03_001を選択し最後に「Run」をクリックする。
重要なのはこの融合には時間がかかるということだ。全国の地方公共団体1718をさらに地名で分けたと思われる116023のデータ(国土地理院の話では例えば地方公共団体でも島嶼に分かれているものなど多数のデータを持つものがある)となっているので、下記ブログによると「IntelCore i5、メモリ4GB、Windows10の条件下で6時間」となっている。

QGIS – 融合(Dissolve) – TauStation


私のPCは他は同条件であるがメモリが8GB、この環境で20分から30分かかった。(もっともこの時間差は属性テーブルにフィルタ「"N03_001" = '京都府' OR "N03_001" = '滋賀県' OR "N03_001" = '奈良県' OR "N03_001" = '和歌山県'OR "N03_001" = '三重県'」をかけていたことにも一因があるのかもしれない)

そのDissolveの結果をレイヤに使って上記図を再度構成すると、以下になる。 

f:id:greengreengrass:20170817112126p:plain国交省国土数値情報を元にBlog主が加工)

ぐっと見やすくなった。

QGIS電子地図操作 第2回 - 紙つぶて 細く永く

QGIS電子地図操作 第1回 - 紙つぶて 細く永く

探索の流儀

REMEMBER3.11